君に夢中で恋してる*
*4th Romance
重なる偶然
『もしもし、椎名?』
「日向君っ!?」
夏休みも8月に突入して暫く経った、ある日の昼下がり。
ウトウトしながら学校の課題をやっていた私。
不意に鳴った携帯電話に出てみると、相手は…日向君。
私は、驚きのあまり眠気が一気に吹き飛んでしまった。
『久しぶりだな。元気?』
「うん、元気だよ…。えっと、日向君は…?」
『俺も元気。椎名の声を聞いたら、もっと元気になった。』
電話の向こうから聞こえてくる、日向君の明るくて素敵な声。
か、カッコいい…。
声だけでも、尋常じゃないぐらいドキドキしちゃう…。
唇が少し震えているのが自分でも分かった。