君に夢中で恋してる*
「ごめん…。いつもと雰囲気違ったから、一瞬…誰か分からなかった…。」
そう言えば、私…休みの日は髪の毛を三つ編みにせずに、おろしてることが殆どだからなぁ…。
制服ってわけでもないし、分からないのも無理ないよね…。
心の中で頷いた。
「椎名、ケガとかしてない?」
「うん、全然…ケガとかしてないよ…!日向君は大丈夫?思いっきりぶつかっちゃったし、痛くなかった…?」
慌てて立ち上がると、日向君は笑顔で首を横に振った。
「俺は大丈夫だよ。あっ、椎名の持ち物…散らばっちゃったな…。」
スッとしゃがむ日向君。
「い、いいよいいよ!私が拾うから…。」
そう言ったけれど、日向君は、あっという間にリーフレットや封筒を拾ってくれた。
「あ、ありがとう…。」
優しいなぁ…日向君。
温かい気持ちが広がるのを感じながら、軽く頭を下げてお礼を言った時だった。
「もしかして、椎名…今日が誕生日?」