君に夢中で恋してる*

「あ、あのっ…ちょっと早いけど、日向君…お誕生日おめでとう…。」


ぎこちなく話すと、日向君はニコリと温かい笑顔を浮かべた。


「ありがとう…。椎名も、誕生日おめでとう…。誕生日が凄く近くて、なんか…嬉しいよ。」


頬が急激に熱くなっていく。


日向君に“おめでとう”ってお祝いしてもらっちゃった…!


あまりにも嬉しくて、飛び跳ねてしまいそうな気持ちだった。


「椎名、これからこの店に行くの…?」


「うん…。」


リーフレットを指差す日向君にコクンと頷く。


「ひょっとして、誰かと待ち合わせしてる…とか?」


日向君の表情は少し曇っている。


理由はよく分からないけれど、私は否定するべく、首を横に振った。


「ううん、私一人で行くの…。本当は、友達の美波と一緒に行く予定だったんだけど、風邪ひいちゃったみたいで…。」


「そっか…。」


次の機会には、美波と行きたいなぁ…なんて思っていると、不意に日向君が顔を覗きこんできた。


「じゃあさ、この店…俺も一緒に行っていい?」



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