君に夢中で恋してる*
「えっ!?」
思いも寄らない言葉に目を見開く。
危うくリーフレットや封筒を再び落としてしまいそうになるほど、大きな衝撃が体を駆け巡った。
「あっ、でも…日向君は日向君で、この後…何か予定とかあるんじゃ……」
「俺、これから家に帰ろうとしてたところだし、特に予定は無いんだ。」
「だけど、このお店…女性向けの小物や雑貨が多いみたいだし、日向君を付き合わせるのは申し訳ないよ…。」
きっと、退屈しちゃうよね…。
「いいよ、別に。俺、せっかくの椎名の誕生日だから、一緒に時間を過ごしたいんだ。ダメかな?」
ドクンッ…
一瞬、言葉が出てこなかった。
ダメ…なわけない。
好きな人と誕生日を過ごせるなんて、こんなに素敵なこと…ないもん。
鼓動が速いリズムを刻む中、私は迷わずフルフルと首を左右に振った。
「だ、ダメ…じゃないです…。」
あまりにもドキドキし過ぎて敬語になってしまった私を、日向君は微笑ましそうに見つめた。