君に夢中で恋してる*

「あ、いや…何もそんなに謝らなくても…。それより、本当に大丈夫?ケガとか…してないか?」


日向君に顔を覗き込まれ、私は肩がビクッと大きく跳ねた。


「は、はいっ!!全くもって大丈夫ですから、気にしないで下さいっ!!」


日向君を、これ以上…心配させないようにしなくちゃ。


大丈夫なところをアピールしようと手をブンブン振った私だったけれど……


「わわっ…!!」


それが見事に裏目に。


肩から提げていたバッグがスルリと抜け、下に落ちてしまった。


しかも、バッグの口が開いたままだったらしく、中身が派手に散らばる始末。


私は、慌ててその場にしゃがんだ。


「す、すみません!!」


日向君や周りの乗客の人たちに謝りながら、ノートや筆記具などをバッグに戻す。


みんなの視線が私に注がれている気がして、恥ずかしさのあまり顔から火が吹き出しそうだ。


もう…。
私ってば、何やってるのよ…。


なんだか、一人で空回りしてる…。


穴があったら入りたい…なんて考えていると、日向君が私の目の前にしゃがみ込んだ。



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