君に夢中で恋してる*
恋人のような錯覚
日向君に手を引かれて、お店の前までやって来た私。
カフェは、併設の雑貨屋さんもあるためか、大きめの建物だ。
白を基調とした木の温もりのあるお店。
建物の周りには綺麗な花が植えられていて、彩り鮮やかだ。
すごく素敵…。
キラキラと目を輝かせながら見惚れていると…
グウ…
不意に聞こえてきた音。
日向君を見ると、少し照れくさそうにお腹を擦っていた。
「ごめん…。お腹、空いてきちゃってさ…。」
今の、日向君のお腹が鳴る音だったんだ…。
そう言えば、お昼時だもんね…。
「椎名は、お昼…もう食べた?」
「ううん、私もまだだよ…。」
お昼前に家を出てきちゃったからなぁ…なんて思っていると、日向君はニコニコしながら目の前のカフェを指差した。
「それならさ、ここで昼ご飯…食べない?」
「…………。」
えぇっ!?