君に夢中で恋してる*

その後、列に並んで待っていた私たち。


30分ほどで店内に入ることが出来た。


「お待たせいたしました。こちらにどうぞ。」


笑顔の店員さんに案内され、明るい窓際の席に着く。


大きめの窓からは、可憐な花々が咲く可愛らしい中庭が見えた。


「わぁ、綺麗…!」


外観もオシャレだと思ったけど、内装も、店内から見える中庭も、すごく素敵…。


ついつい見入っちゃうよ…。


「椎名、笑顔がキラキラしてる…。」


「えっ!?」


視線を日向君に移すと、私を見つめていた。


「なんだか、ずっと見ていたい…って思える。」


真っ直ぐな瞳。


少しの間、見つめ合うような形になってしまったけれど、私はバクバクする心臓に耐えかねて、視線を逸らす。


そして、店員さんが置いていったメニューを開いた。


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