君に夢中で恋してる*

「そ、そうそう!メニュー決めなくちゃいけないよね…!」


緊張しているのが伝わってしまいそうなほど、声が裏返る。


「…そうだな。」


そんな私を微笑ましそうに見ながら、日向君もメニューを見始めた。


えっと、何…食べようかな…。


どれも美味しそうで迷っちゃう…。


うーん…と唸りながら、メニューを選んでいると、なんとなく視線を感じた私。


おそるおそるメニューから視線を上げると、こちらをジッと見ている日向君が映った。


「も、もしかして……日向君、メニュー決めちゃった…?」


「うん。」


や、やっぱり…!


私ってば、メニューを選ぶのに時間を掛けすぎ…。


日向君、お腹を空かせてるんだから、早くしなきゃ…。


「ご、ごめんね…!全部、美味しそうだなぁ…って思ったら迷っちゃって…。急いで決めるね…。」


「いいよ、慌てなくて。メニューを選んでる椎名、すごく楽しそうな表情していて、可愛いから。」


「えっ…」


パチパチと瞬きを繰り返す。


みるみるうちに、頬が焼けそうなぐらい熱くなってしまった。



< 155 / 305 >

この作品をシェア

pagetop