君に夢中で恋してる*

どうしたんだろう!?


状況が掴めない私は、二人を交互に見た。


「一真(カズマ)…!」


「誰かと思えば夏綺じゃん!久しぶり!」


「卒業式以来だよな。」


ニコニコと楽しそうに笑う日向君。


どうやら、二人は知り合いのようだ。


「注文を聞きに来たのが一真だったから、すげぇビックリした。」


「俺だってビックリだよ。夏綺が来るなんて思ってなかったし。」


「バイト?」


「ああ。夏休みになったし、金もないからバイトに励もうかと思ってさ。」


会話を弾ませる二人。


楽しそうだなぁ…なんて思いながら、その様子を眺めていると、日向君が私の方に視線を向けた。


「あっ、俺たちだけで勝手に話していて、ごめんな。」


気まずそうに謝る日向君に私は首をブンブンと横に振る。


「い、いいよいいよ。私のことは気にしないで?」


久しぶりに会えた人みたいだし、色々と話したいこともあるよね…きっと。


うんうん、と心の中で頷いていると、店員の男の子も私の方に視線を向けた。



< 158 / 305 >

この作品をシェア

pagetop