君に夢中で恋してる*

そのあと、ぶつかった衝撃で散らばってしまった彼女のリーフレットや封筒を拾った際、椎名の誕生日が今日だということを知った俺。


これから、リーフレットに載っている店に一人で行く…と言う椎名に、思わず“一緒に行っていい?”と聞いてしまった。


せっかく椎名に会えたわけだし、偶然にも今日は彼女の誕生日。


少しでも長く話をしたいし、一緒に居たい…と思ったんだ…。


「だ、ダメじゃないです…。」


その言葉を聞いた瞬間、みるみるうちに頬が緩む。


嬉しさのあまり、椎名の手をギュッと握って、歩き始めた。


「……………。」


繋がれた手を恥ずかしそうに凝視している椎名。


そんな姿に微笑ましさを感じた。


っていうか、今日の椎名…かなり可愛いよな…。


いつもは三つ編みされている栗色の髪。


今日はおろしていて、緩くウェーブのかかった髪はフワフワだ。


服は、淡い水色のワンピースに白いカーディガン。


制服の時とは違った雰囲気で、ぶつかった時には、一瞬…誰だか分からなかったけど、彼女を見た瞬間、ドクンと心臓が跳ねあがったんだ…。



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