君に夢中で恋してる*

他の女子の私服姿とか、今まで見たことがあるけど、こんな風にドキドキするのは初めてだ。


ジッと見ていると、俺の視線に気付いた椎名が顔を上げる。


「ど、どうしたの…?もしかして、この格好…変?」


慌てて服を見直している椎名に笑みが零れた。


「変じゃないよ。似合っていて可愛いと思ってただけ…。」


「えっ!?」


「髪もウェーブかかっていて、綺麗でフワフワだよな。」


椎名の顔が赤く染まる。


そして、恥ずかしそうにフルフルと首を振った。


「そ、そんなことないよ。この髪、天然パーマで少しクセもあるし、服はパッと目に留まったものを着ただけだから……。」


椎名はそう言うけど、俺から見れば…可愛いとしか思えない。


多分…俺に限らず、他の男から見たって…きっと同じはずだ。


周りに視線を向ける。


すると、前方から歩いてくる大学生ぐらいの男二人組が、椎名をジロジロと見ているのが目に映った。



< 166 / 305 >

この作品をシェア

pagetop