君に夢中で恋してる*
他の女子の私服姿とか、今まで見たことがあるけど、こんな風にドキドキするのは初めてだ。
ジッと見ていると、俺の視線に気付いた椎名が顔を上げる。
「ど、どうしたの…?もしかして、この格好…変?」
慌てて服を見直している椎名に笑みが零れた。
「変じゃないよ。似合っていて可愛いと思ってただけ…。」
「えっ!?」
「髪もウェーブかかっていて、綺麗でフワフワだよな。」
椎名の顔が赤く染まる。
そして、恥ずかしそうにフルフルと首を振った。
「そ、そんなことないよ。この髪、天然パーマで少しクセもあるし、服はパッと目に留まったものを着ただけだから……。」
椎名はそう言うけど、俺から見れば…可愛いとしか思えない。
多分…俺に限らず、他の男から見たって…きっと同じはずだ。
周りに視線を向ける。
すると、前方から歩いてくる大学生ぐらいの男二人組が、椎名をジロジロと見ているのが目に映った。