君に夢中で恋してる*

このパスケース、椎名に渡そうかな…。


誕生日プレゼントとして…。


結構気に入ってたみたいだし、きっと…喜んでもらえるよな。


俺はパスケースを手に取ると、迷わずレジへ。


アクセサリーを見ている椎名に気付かれないよう、こっそりと購入した。


あとで、渡そう…。


そう思いながら、何食わぬ顔で椎名のところに戻る。


彼女は、ニコニコと笑顔を浮かべながら、イヤリングを手の平にのせていた。


「よし、これ…買っちゃおう…!」


“急いで買って来るね”と言って、レジへと向かう椎名。


その姿を見つめた。


自分の気持ち…。


恋だと確信したからには…椎名に想いを伝えないとな…。


このプレゼントを渡す時に言おう…。


“好きだ”って…。



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