君に夢中で恋してる*

『それじゃあ、お母さんたち…これから支度をして出るから、駅前で待ち合わせしましょ?』


「うん、分かった…。」


電話を切った後、私は日向君にガバッと頭を下げた。


「日向君、ごめんなさいっ…!この後、お母さんたちと…急きょ駅前で待ち合わせすることになったの…。」


「駅前って、椎名の家の最寄り駅?」


「う、うん…。私の誕生日のお祝いに、夕ご飯は外食しよう…ってことになったみたいなんだ…。だから、あの…」


「そういう事情なら、仕方ないよな…。じゃあ、途中まで一緒に帰ろうか。」


コクンと頷くと、日向君は私の手を握って歩き始めた。


わわっ…!


日向君に、また手…握られちゃったよ…!!


ドッキンと心臓が跳ね、手から熱が全身に行き渡るような感覚がした。


こうなると、神経は繋がれている手にばかりいってしまう。


ジーッと手を見つめたまま歩いていると、日向君が不意に私の顔を覗き込んだ。


「椎名、ちょっと…そこの公園に入ってもいいかな?」


「えっ!?」


慌てて顔を上げる。


日向君の指差す先には、小さな公園があった。



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