君に夢中で恋してる*
「う、うん…。」
日向君、どうしたんだろう…?
突然の提案に首を傾げつつ、公園の中に入る。
夕方になろうとしている公園は、まだ暑いせいか、遊んでる子はいない。
今、この静かな公園にいるのは、私と日向君の二人だけだ。
「ごめんな、急に。」
ブランコの傍の木陰までやって来ると、日向君はゆっくり手を離した。
「ううん、それより…どうしたの?」
「駅に行く前に、椎名に渡したいものがあるんだ…。」
「私に…?」
渡したいものって、なんだろう…?
頭の中で疑問符を浮かべていると、日向君は着ていたパーカーのポケットからラッピングされた小さな袋を取り出した。
「これ、誕生日プレゼント…。受け取ってもらえると嬉しいんだけど……」
「えっ…」
パチパチと瞬きを繰り返す。
誕生日プレゼント…。
日向君が、私に…。
驚きのあまり、差し出されたプレゼントと日向君を何度も交互に見てしまった。