君に夢中で恋してる＊

「あ、ありがとう…。」


ぎこちない声でお礼を言って受け取る。


中、何が入ってるのかな…？


「あの…、開けてみてもいい…？」


「うん、もちろん。」


笑顔で即答された私は、ラッピングされた袋を丁寧に開ける。


「あっ……」


袋の中から出てきたものを見た瞬間、目を見開いてしまった。


わぁ…！
パスケースだ…！


さっき、私が買うのを迷っていた淡い水色のドット柄のパスケース。


思わぬ素敵なプレゼントに、頬が緩んでいくのを感じた。


「日向君、このパスケース…！」


「椎名、気に入ってたみたいだったから、こっそり買ったんだ…。」


い、いつの間に…。


私…全然気付かなかった…。


驚きと嬉しさで、パスケースを持つ手が小刻みに震えた。