君に夢中で恋してる*
「えっと、あなたの名前は…?」
穏やかな三浦さんの声に、ハッと我に返った私。
「あっ、あの…椎名 星愛と言います…。よ、宜しくお願いします…。」
慌てて頭を下げて挨拶をすると、三浦さんは“えっ!?”という声と共に、驚きの表情を浮かべた。
「あなたが、A組の椎名さん…?」
「は、はい…。」
「へぇ…、そうなんだぁ!私…C組なんだけど、クラスの男子たちの話に、椎名さんが登場することがあるのよ…!結構、モテるでしょ?」
ニコッと笑う三浦さんに、私はブンブンと首を左右に振った。
「も、モテるだなんて…!!そんなこと有り得ないです…!」
むしろ、モテるのは三浦さんだよね…。
こんなに美人なら、他校の男子からも告白されたりしてそうだし…。
「そっかぁ、意外だな〜。でも、椎名さんみたいな可愛い女の子だったら…そのうち素敵な彼氏が出来ると思うよ!夏綺君も、そう思うよね?」
「あ、ああ…。」
急に話をフラれた日向君は、ポツリと呟くように答える。
表情は、なんだか曇っているように感じた。