君に夢中で恋してる*
「あっ、そうそう!夏綺君に部活の関係で話したいことがあったの!このあと、ちょっといいかな?」
「えっ?」
突然の三浦さんからの言葉に、日向君は驚いた様子で瞬きをした。
「来週のサッカーの遠征について、詳細をまだきちんと話してなかったでしょ?他の部員には連絡が済んでるから、あとは夏綺君だけなの…。」
「そうなんだ…。でも、俺…これから椎名と…」
「なるべく早めに話しておきたいの…!こうして会えたから、直接…言っておきたいんだ…。」
「だけど……」
三浦さんと私で視線を行き来させる日向君。
なんだか、とても困ってるみたいだ。
うーん…。
三浦さん、部活のことで大事な話があるみたいだし、そっちを優先して欲しいな…。
「日向君、急ぎみたいだから…三浦さんとお話して?」
「えっ…」
「そ、それじゃあ…私は帰るね…。今日は…色々とありがとう…。」
軽く頭を下げた私は、クルリと背を向けて足早に公園を出た。