君に夢中で恋してる*

「あっ、そうそう!夏綺君に部活の関係で話したいことがあったの!このあと、ちょっといいかな?」


「えっ?」


突然の三浦さんからの言葉に、日向君は驚いた様子で瞬きをした。


「来週のサッカーの遠征について、詳細をまだきちんと話してなかったでしょ?他の部員には連絡が済んでるから、あとは夏綺君だけなの…。」


「そうなんだ…。でも、俺…これから椎名と…」


「なるべく早めに話しておきたいの…!こうして会えたから、直接…言っておきたいんだ…。」


「だけど……」


三浦さんと私で視線を行き来させる日向君。


なんだか、とても困ってるみたいだ。


うーん…。


三浦さん、部活のことで大事な話があるみたいだし、そっちを優先して欲しいな…。


「日向君、急ぎみたいだから…三浦さんとお話して?」


「えっ…」


「そ、それじゃあ…私は帰るね…。今日は…色々とありがとう…。」


軽く頭を下げた私は、クルリと背を向けて足早に公園を出た。



< 182 / 305 >

この作品をシェア

pagetop