君に夢中で恋してる*

「気をつけて、行ってらっしゃい!」


お母さんに見送られて家を出た私は、駅から電車に乗り込み、花火大会会場の最寄り駅へ。


駅に着くと、たくさんの人で賑わっていた。


「す、すごいな…。」


殆どの人が、花火を見に行くんだよね…きっと。


人の多さに圧倒されながら駅を出る。


会場の河川敷までは、歩いて5分程度だ。


えっと、待ち合わせ場所は…河川敷に隣接してる公園だったよね…。


もうすぐ集合時間の18時半になるし、ちょうどいい感じかも…。


日向君、多分…もう来てるよね?


ひゃああ、ますます緊張が増してきたよぉ…。


ドクンドクンとうるさいぐらい鼓動が鳴り響く。


ゆっくり歩いていた私だったけど、あっという間に公園まで来てしまった。


みんな、どこにいるのかな…?


公園の中に入ってキョロキョロと辺りを見回す。


広い敷地の公園内は、花火見物の人たちでいっぱいだ。


こんなに人が多いとは思ってなかったなぁ…。


これじゃあ、日向君たちを見つけるのに時間がかかりそう…。


思わず溜め息を零そうとした時だった。




「あっ、星愛ちゃん…!こっち、こっち…!」



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