君に夢中で恋してる*
「えっ?」
今、誰かに呼ばれたよね…?
グルリと辺りを見回して声の主を捜していると、一人の男の子が私の方に駆け寄ってきた。
「呼んだのは俺だよ…!久しぶりだね、星愛ちゃん!」
「か、唐沢君…!?」
ニコリと笑う彼に、なんとも素っ頓狂な声を出してしまった。
「えっ、今日は…どうしたの?」
「もちろん、花火を見に来たんだよ。星愛ちゃんたちのクラスに混ざって。」
「あれっ?でも確か…」
終業式の日に、日向君から参加禁止…って言われていたような…。
小さく首を傾げると、唐沢君は笑顔でピースサインをした。
「夏綺は参加不可って言ってたけど、強引に参加しちゃったんだ。強行突破…ってところかな。」
「そ、そうなんだ…。」
「夏綺のヤツ、半分…呆れ気味だったけど、仕方なさそうに参加許可してくれたよ。」
なんだか、すごいな…唐沢君。
それだけ、私たちのクラスの子たちと一緒に花火を見たかったんだ…。
まあ、みんなで見た方が賑やかで楽しいもんね…。