君に夢中で恋してる*

「椎名、今日は来てくれて…ありがとな。」


微笑む日向君に、胸の鼓動は一層速くなる。


ドクンドクンという大きな音が日向君の耳に届いてしまいそうなほどだ。


「あ、あのっ…。こちらこそ、声掛けてくれてありがとう…。花火大会、久しぶりだから楽しみ…。」


「みんなで一緒に楽しもうな!」


「うん…。」


その言葉に頷くと、日向君は私をジッと見つめた。


「浴衣、すごく似合ってる…。」


「……っ!?」


ボッと火がついたかのように顔が熱くなる。


今にも湯気が出てきそうな気がした。



「だよなぁ、夏綺もそう思うだろ?今日の星愛ちゃん、めちゃくちゃ可愛いよな!」


「かっ、唐沢君ってば、可愛い…だなんて言い過ぎだよ。」


「いやいや、言い過ぎなんかじゃないって!俺が今まで出会ってきた女の子の中で一番可愛いかも…。」


そ、それは…絶対に無いよ…。


うぅ…、なんだかスゴく恥ずかしい…。


熱を帯びたままの頬を両手で押さえていると、日向君は唐沢君の頭をペシッと軽く叩いた。



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