君に夢中で恋してる*
「つーか、お前…椎名に馴れ馴れしく話し掛けるなよ。」
「えーっ、別にいいじゃん!今日は一緒に花火を見るんだし、交流深めないと。」
「そんなの深めなくていい。椎名も、碧のこと…いちいち相手にしなくていいからな?」
「えっ、う…うん…。」
戸惑いながら頷く。
唐沢君からは、すかさず抗議の声があがった。
「おい、夏綺っ!星愛ちゃんに変なこと吹き込むなよ…!」
「俺は正当なことを言ったまでだ。」
な、なんだか日向君…。
声が刺々しい…。
私に話し掛けてくれる時は、そんなことないのに…。
不思議に思いながら二人のやり取りを見ていると…
「夏綺、ちょっといい?」
不意にクラスの男の子たちに呼ばれた日向君。
手招きしている彼らを見た日向君は“今、行くよ”と声を掛けた後、唐沢君に鋭い視線を向けた。
「とにかく、お前は椎名から離れろ。」
「はぁっ!?なんでだよ!」
「お前が傍に居たら、椎名が疲れる。分かったな?」
不機嫌そうな声で唐沢君に話した日向君は、男の子たちの方へと行ってしまった。