君に夢中で恋してる*
「ったく、なんだよ…夏綺のヤツ。要するに……」
唐沢君がチラリと私を見る。
えっと、どうしたんだろう…?
キョトンとしながら首を傾げた時…。
「碧君っ!」
甲高い声が飛んできたかと思うと、クラスの女の子たちが何人も駆け寄って来る。
唐沢君は、あっという間に女の子たちに囲まれてしまった。
「花火、楽しみだね〜!」
「碧君が来るなんて思ってなかったから、すっごく嬉しい…!」
「私も〜!」
女の子たちは満面の笑顔だ。
そっか…、唐沢君も結構人気あるんだよね…。
美波が、もしも参加していたら、かなり興奮していたんだろうなぁ…。
ずっと唐沢君に話し掛けていそう…。
そんな姿を想像しながら、笑みを零してしまった。
そう言えば、唐沢君…。
さっき、何か言い掛けてたけど…なんだったんだろう…?
…………。
ま、まあ…いっか。