君に夢中で恋してる*
その後、花火大会の参加者が全員集合し、私たちは河川敷へ。
屋台がズラリと並んでいて、お祭りムードの河川敷。
そこは、公園以上に人で溢れていた。
みんなで一緒に花火を見る場所を探すべく、人ごみの中をゾロゾロと固まって移動する。
私は、集団の後ろの方を歩きながら、日向君を見つめた。
男の子たちと先頭を進む日向君。
傍を歩く女の子たちも、楽しそうに話し掛けている姿が目に映った。
日向君の周りには、たくさんの人が集まる…。
男女問わず、みんなが…。
あんなに人気のある、キラキラした男の子に、告白するんだよね…。
今更ながら、すごいこと…しようとしてるんだな…私。
あぁ…。
半端ないぐらい緊張してきたよ…。
熱くなっている頬に風を送るべく、手をパタパタと動かしていた、その時。
「…ヒック……ふぇっ…」
突然、聞こえてきた泣き声。
どこで泣いてるんだろう…。
グルリと周辺を見回すと、通り過ぎたばかりの金魚すくいの屋台の前で泣いている、小さな女の子の姿が目に留まった。