君に夢中で恋してる*
「あ、ごめん…。椎名を見つけられたことにホッとして、思わず抱きしめてた…。」
日向君の頬は少し赤く染まっている。
照れくさくて、お互い沈黙してしまった。
「……あ、もうすぐ花火始まるから、みんなのところに行こうか?」
少し間を置いて、日向君が口を開く。
「そ、そうだね…!花火、始まっちゃうもんね…!」
コクコクと頷くと、日向君は私の手を包むように握った。
「えっ、日向君…!?」
こんなにたくさんの人たちが行き交ってる中で、手を繋ぐのは恥ずかしいよ…。
驚いて手を離そうとしたけれど、しっかりと指を絡められてしまった。
「…もう、はぐれたりしないように…。みんなのところに行くまでは、この手…離さないから。」
そ、それまで…ずっとこのまま…!?
心臓がドクドクと慌ただしいリズムを刻む。
全神経が指先に集中しているような気がした。