君に夢中で恋してる*
繋いだ手から、私の鼓動が伝わっちゃいそう…。
ハラハラしながら、日向君と色んな屋台の前を通り過ぎていく。
真っ赤になっているであろう私の顔。
出来るだけ見られないようにと俯き加減で歩いていると…
「あれ……?」
突然、日向君が足を止める。
どうしたんだろう…?
疑問に思った私は、俯いていた顔を上げる。
すると、キョロキョロと周りを見回している日向君の姿が映った。
「おかしいな…。さっき、この辺で見よう…って、みんなで決めたんだけど……。見当たらないな…。」
連なる屋台から少し外れた河川沿いの緩やかな土手。
どうやら、ここにクラスのみんながいるはずなのに、いないみたいだ。
「他にいい場所でも見つけて、変更…したのかな。」
日向君は、首を傾げながら携帯電話を取り出す。
「もう一人、幹事になってるヤツがいるから、どこにいるのか、電話して聞いてみるよ。」
「うん…。」
すぐに電話を掛けはじめた日向君だったけど…
表情が少しずつ曇っていく。
「うーん、繋がらないな…。」
しばらくコールしたものの、相手が出ないらしく、日向君は静かに電話を切った。