君に夢中で恋してる*
「あっ、えっと…その……いっ、家まで送ってもらうなんて申し訳ないな…って、思って…。」
極度の緊張に耐えられなくなった私。
告白とは別の言葉を口にしてしまった。
「そんなことないよ。こんな時間に一人で帰るのは危ないだろ?それに、俺…少しでも長く椎名と一緒に居たいから。」
日向君は優しく微笑んで歩き始める。
そんな彼を隣で見ながら、心の中で小さなため息を零した。
ドキドキし過ぎて、告白…出来なかった…。
で、でも…日向君が家まで送ってくれるから、まだ…チャンスはあるよね…。
今度は、あまり緊張し過ぎないようにしなくちゃ…。
落ち着こう…と思いながら、私は空いている手で胸元をゆっくり擦った。