君に夢中で恋してる*
「ごっ、ごめんね…。なんだか…同じタイミングになっちゃったね……。」
「いや、俺の方こそ…ごめん。」
なんとなく、お互い謝りあう。
しばし沈黙が流れた後、日向君が先に口を開いた。
「椎名、先にどうぞ。」
「えっ…?」
「何か…言おうとしてただろ?」
「うん…。あっ、でも…良かったら、日向君が先に……」
そこまで言い掛けて、私は言葉を止めた。
ここで告白を後回しにしたら、今よりもっと緊張しそうな気がする…。
過度な緊張になったら、また言葉が出てこなくなっちゃう…。
それを避けるためにも、先に…想いを伝えた方がいいかもしれない…。
「あのっ、やっぱり…私が先に話してもいいかな…?」
おそるおそる聞く私に、日向君は笑顔で頷いた。
「うん、もちろん…。」
優しい眼差しが私を見つめる。
ドクンドクン…と慌ただしく鳴り響く鼓動が、唇を微かに震わせた。
大丈夫…。
ちゃんと伝えられる…。
そう言い聞かせながら、声を出そうとした時だった。