君に夢中で恋してる*

どうして、碧が俺の気持ちを知ってるんだよ…。


特に話したりしてないのに…。


「俺が気付いてないとでも思ってたのか?」


固まってる俺を見ながら、碧は得意気に笑った。



「終業式の日といい、今日…公園に集合した時といい、俺に対する態度があからさまに違うんだもんな。」


「態度…?」


「ああ。俺が星愛ちゃんと話してると、かなり不機嫌になってたし、声にもトゲがあったじゃん。それに、“もっと離れろ”とか“馴れ馴れしく話し掛けるな”とか言ってたし。」


そ、そう言えば…そうだったな。


だって仕方ねぇだろ。


碧が椎名と一緒に居たり、話したりしてるところ見ると、心が騒つくんだから。


「今までは、俺が他の女子と話していても、夏綺があんな態度とることなかっただろ?」


「あ、ああ…。」


俺は、ぎこちなく言葉を返した。


確かに、そうだな。


碧が椎名以外の女子と話している時は、別に何とも思わないから…。



< 230 / 305 >

この作品をシェア

pagetop