君に夢中で恋してる*
「なんで話を戻す必要があるんだよ…。」
「だって、気になるじゃん。」
興味津々な眼差しを容赦なく向けてくる碧。
その迫力に圧倒されてしまった。
こうなると、さっきみたいに“なんでもない”とも言えない。
どうせ、碧のことだ。
俺が喋るまで帰らないだろう…。
それなら正直に話すか…。
「実はさ……」
俺は碧にさっきまでの出来事を話すべく口を開いた。
椎名の家の前まで来た時、告白しようとして声を発したら、椎名とタイミングが重なって言えなかったこと…。
椎名が何か話そうとしていた時に家の中から、椎名のお母さんが出てきたこと…。
俺のことを、椎名の彼氏だと思い込んでいたお母さんに、椎名が“同じクラスの男の子”“それだけ”と言っていたこと…。
ありのままを話した。