君に夢中で恋してる*

「…なるほどな。」


「俺…何とも思われてないみたいなんだよな、椎名に…。」


小さく溜め息を零す。


沈んでる俺の肩に、碧は静かに手を置いた。


「でもさ、別にキッパリとフラれた…ってわけじゃねぇだろ?告白してないわけだし。」


「あ、ああ…。」


「俺だったら、逆に気合い入るけどな。何とも思われてないんだったら、意識してもらえるように、もっと頑張ろう…って。」


そっか…。


そうだよな…。


椎名が好きなら、俺も…好きになってもらえるよう、頑張らないとな…。


碧にしては、いいこと言うな…と心の中で思っていると、不意に顔を覗き込まれる。



「だけどさ、夏綺の場合は…頑張る必要は無いと思うぜ?」


「えっ、それってどういう……」


首を少し傾げると、碧は微笑ましそうに笑った。




「だって、星愛ちゃんは夏綺のこと…きっと好きだから…。」



< 233 / 305 >

この作品をシェア

pagetop