君に夢中で恋してる*
「えっ!?」
驚いた衝撃で発した大きな声。
空気を震わせながら、夜の静かな住宅街に響いた。
「そんなに驚くことでもないだろ?星愛ちゃんを見てると、そんな気がするじゃん…。」
「椎名を…?」
「ああ。星愛ちゃんが夏綺と話してる時、すげぇ可愛い表情してたじゃん。俺と話す時とは違うよ、雰囲気も。上手く言えねぇけど、なんか…こう…嬉しそうっていうか、幸せそうな感じ。」
確かに、椎名の表情は…恥ずかしそうな時も、ソワソワしてる時も、笑顔の時も…可愛いと思うけど…。
雰囲気か…。
碧と椎名が話してた時は、心が騒ついてたからな…。
碧にイライラするばかりで、雰囲気の違いになんて、気にも留めてなかった…。
「お前、すげぇな…。」
「まあな。好きになった女の子のことは、ついつい…よく見ちゃうからさ…。」
碧の言葉にピクッと肩が震える。
得意気に笑みを浮かべる碧を、真っ直ぐ見た。