君に夢中で恋してる*
一瞬、驚いた様子で目を見開いた碧。
だけど、その表情は直ぐに笑顔へと変わった。
「大丈夫だよ。星愛ちゃんのことは好きだけど、夏綺の恋を邪魔するつもりは無いから。」
……その割には、椎名のこと親しげに名前で読んでるし、馴れ馴れしく話したりしてたじゃねぇか…。
今までのことを思い出して、不満を燻らせた。
「っていうか、邪魔するも何も…俺の立ち入る隙なんて無い気がするんだよな。星愛ちゃんと夏綺、すげぇお似合いな感じするから。」
「い、いきなり何言ってんだよ…。」
碧の口から“お似合い”だなんて言われると、照れくさい…。
気持ちを紛らわせようとして、髪をクシャッとさせる。
涼しい夜風が、少し熱くなった頬を優しく撫でた。