君に夢中で恋してる*
「夏綺。」
「…なんだよ。」
「あのさ、俺…思うんだけど……」
そう言った碧は、柔らかい笑みを浮かべた。
「星愛ちゃんが夏綺のことを“同じクラスの男の子”って言ったのは、照れくささとか恥ずかしさがあったからじゃねぇかな?」
「えっ…?」
「二人で話してた時に、突然…星愛ちゃんのお母さんが家のドア開けて顔を覗かせたんだろ?」
「ああ…。」
ちょうど、椎名の言葉を待っていた時だった…。
突然だったから、椎名も驚いてたな…。
「俺だって、もし…女の子と良い雰囲気で話してるところを、いきなり家族に見られたら、ビックリするし…少し照れくさい…って感じると思うぜ?」
「………そう、だな。」
コクンと小さく頷く。
確かに、俺も…さっき椎名のお母さんがドアから顔を覗かせた時、ちょっと照れくさく感じたっけ…。
もしかしたら、椎名も…俺と同じように…
いや、それ以上に照れていたのかもしれないな…。