君に夢中で恋してる*

その後、午後も沈んだ気持ちのまま過ぎていき、放課後を迎えた。


手早く支度して美波と一緒に帰らなくちゃ…。


バッグにノート類を入れていた時、担任の睦月先生が教室に入って来た。


「椎名…!」


「は、はい…。」


まさか、名前を呼ばれるなんて思っていなかった私。

驚きながら返事をすると、睦月先生は私の席のところまでやってきた。



「確か、今日の日直は椎名…だったよな?」


「あっ、はい……。」


私、午前中はスッカリ忘れていて、お昼ご飯を食べてる時に美波に言われて気付いたんだよね…。


「日誌、渡すの忘れてたから持ってきたんだ。書いたら職員室に来てくれ。ついでに頼みたいこともあるから、よろしくな。」


「えっ、あの…先生!?」


私が日誌を受け取ると、先生は、さっさと教室から出て行ってしまった。


ついでに頼みたいことって、一体何だろう…。


嫌な予感…。


「はぁ…。」


とにかく、早く日誌を書いて職員室に持って行かなくちゃ…。


憂鬱な気持ちを抱きながら日誌を開いた。



< 242 / 305 >

この作品をシェア

pagetop