君に夢中で恋してる*
そして、5分後。
「よし、書けた…!」
完成した日誌を持って立ち上がると、美波が席に駆け寄って来た。
「星愛、新学期早々…お疲れさま。」
「ありがとう…。ちょっと職員室に行って来るね…。なるべく早めに戻って来るから…。」
「うん、教室で待ってるね…!」
美波に軽く手を振って教室を出た私は、急いで職員室へ。
先生に日誌を提出した。
「おっ、ご苦労様!結構早かったな!」
「は、はい…。あの、それで頼みたいことって言うのは…」
嫌なことは、さっさと終わらせたい…。
どんなことを頼まれるのかと思っていると、先生は机の上の積み重なっているノートを指差す。
「今朝、みんなから回収した夏休みの課題ノート。悪いが、これを教室まで運んでもらいたいんだ…。あと、このプリントも。」
そう言って、目の前に差し出されたのは、クラスの人数分あると思われる複数のプリント類だった。
「こ、こんなに…持って行くんですか…?」
「ごめんな。色々と仕事があってバタバタしてるんだ…。よろしく頼むよ、椎名。」
前に、資料運びを頼まれた時と同じで、軽いノリだな…。
苦笑いしながら、クラスのみんなのノートとプリントを両手で持った。