君に夢中で恋してる*
「あっ、日向君…!いいよいいよ、私が持つから…。」
「これ、結構重いし…やっぱり俺が運ぶよ。」
ニッコリと笑いかけてくれる日向君に申し訳なさを感じながら、その言葉に素直に甘えることにした。
「な、なんか……ごめんね。先生に頼まれたのは私なのに、日向君に持ってもらっちゃって……。」
「謝らなくていいよ。俺、椎名の力になりたいだけだからさ…。」
「えっ…」
咄嗟に日向君の顔を見上げる。
重なった視線。
日向君の穏やかで温かい眼差しが心を震わせる。
瞬く間に鼓動の音が大きくなってしまった。
「あ、あの…えっと……」
どうしよう…。
言葉が続かない…。
何とも気まずくて、パッと視線を逸らした私。
俯きながら、少し足早に歩き始めると…
「椎名…。」
突然、日向君に呼ばれた。