君に夢中で恋してる*
「…………。」
日向君は目を見開く。
「椎名、それって…」
「あっ、えっと…つまり……」
“好き”
あとは、その一言を伝えるだけ…。
そう思った時。
「おーい、夏綺っ!もうすぐ練習試合、始めるってよ!」
突如、飛んできた声。
グラウンドに視線を移すと、こちらに向かって走ってくる唐沢君の姿が目に入った。
えっ、どうしようっ!
ソワソワしてるうちに、唐沢君は、あっという間に私たちがいる渡り廊下のところまでやって来た。
「忘れ物を取りに行ってると思ってたのに、こんなところで女の子と仲良く話をしてたのか……って、えっ…星愛ちゃん!?」
唐沢君は、何度も瞬きをしながら驚いた表情を見せる。
ジーッと見られてしまい、恥ずかしさで頬が一気に熱くなってしまった。