君に夢中で恋してる*

「…………。」


日向君は目を見開く。


「椎名、それって…」


「あっ、えっと…つまり……」


“好き”


あとは、その一言を伝えるだけ…。


そう思った時。





「おーい、夏綺っ!もうすぐ練習試合、始めるってよ!」


突如、飛んできた声。


グラウンドに視線を移すと、こちらに向かって走ってくる唐沢君の姿が目に入った。


えっ、どうしようっ!


ソワソワしてるうちに、唐沢君は、あっという間に私たちがいる渡り廊下のところまでやって来た。



「忘れ物を取りに行ってると思ってたのに、こんなところで女の子と仲良く話をしてたのか……って、えっ…星愛ちゃん!?」


唐沢君は、何度も瞬きをしながら驚いた表情を見せる。


ジーッと見られてしまい、恥ずかしさで頬が一気に熱くなってしまった。



< 261 / 305 >

この作品をシェア

pagetop