君に夢中で恋してる*
「ああ、あれは……秘密。」
「えぇっ、何だよそれ。いいじゃん、教えろよ。」
「嫌だ。秘密なものは秘密。それより試合が始まるんだろ?グラウンドに戻ろうぜ。」
さっきの椎名の言葉は、俺だけの言葉にしておきたい…。
そう思うんだ…。
グラウンドに向かって足早に歩きだすと、碧も俺の隣を並んで歩く。
すると、不意に顔を覗き込んできた。
「でもさ、星愛ちゃんとの会話で、良いことがあったのは確かだな。」
「えっ…」
「だって、夏綺…かなり嬉しそうな顔してるから。お前の表情、さっきからずっと緩みっぱなしだぞ?」
「…………っ!?」
碧の指摘に顔が熱くなる。
照れくさくて歩くスピードを一層速めた。
そ、そんなに嬉しそうな表情してんのか…俺。
っていうか、嬉しくないわけがねぇだろ…。
だって、好きな女の子から“とても大切で特別な男の子”って言ってもらったんだから…。