君に夢中で恋してる*
「星愛ちゃんは、すげぇよな。夏綺を、こ〜んな幸せそうな表情にしちまうんだから。」
「碧、ジロジロ見過ぎ。そんなに見るなよ。」
「別にいいじゃん。ここまで嬉しそうにしてる夏綺、今まで見たことないし。」
ニヤニヤしながら俺の顔を見る碧。
注がれる視線に、ますます照れくさい気持ちが強くなってしまった。
「いつまで見てるんだよ。これから練習試合するんだから、そっちに集中しろよ。」
「はいはい。これ以上…見てると、マジで怒りそうだから止めとくよ。」
苦笑いした碧は、駆け足で先にグラウンドへと戻って行く。
俺は…歩きながら、椎名がくれた御守りを見つめた。
“特別”ってことは、意識してくれてるんだよな、俺のこと…。
トクントクン…と軽やかに弾む心。
また、零れてしまう笑み。
気持ちが、どこまでも舞い上がっていくような…
そんな気がした。