君に夢中で恋してる*
『そ、そんなっ……私の声、聞きたい…なんて思ってもらえるようなものじゃないよ…?ごくごく普通の声だから…。』
慌てる椎名にフッと笑みが零れる。
「そんなことないよ。椎名の声を聞くと、元気が出るんだ…。」
優しくて温かみのある声。
ふんわりした印象の椎名にピッタリで、こっちまで心が温かくなるんだよな…。
『えっと、あっ…ありがとう…。』
椎名は恥ずかしそうに、小さな声で話す。
そんなところに微笑ましさを感じながら、手に持っていた御守りをジッと見た。
「椎名、さっきの御守り…本当にありがとう…。こんなに綺麗な御守りを作れるなんて、すごいよな…。」
『き、綺麗だなんて褒めすぎだよ…。でも、そんな風に言ってもらえるなんて…嬉しい…。』
「この御守りがあるから、明日の大会…すげぇ心強いよ。どこまでも頑張れそうな気がする…。」
『ほ、ほんと…?』
「ああ。」
俺は頷きながら答えた。
素直にそう思う。
椎名が心を込めて作ってくれた御守り。
これを持って試合に臨めば、いつも以上に力を発揮できそうな気がするから…。