君に夢中で恋してる*

『日向君、明日…ケガに気を付けて頑張ってね…。私、家で応援してるから…。』


「ありがとう…。優勝目指して頑張るよ。」


椎名の優しさが心に染みわたっていく。


嬉しくて笑顔になりっぱなしだ。


『明日は、朝…早いの?』


「うん。大会の会場が他県だし、移動時間とかあるから、朝は早めに出発するんだ…。」


『そっか…。それなら、今日は…ゆっくり休んでね…。そっ…それじゃあ、日向君…明日の準備とかあるだろうし、そろそろ切るね…。』


「…あっ、椎名!」


俺を気遣って電話を切ろうとする椎名を、慌てて呼び止めた。


『ど、どうしたの…?』


「あのさ、今日は…花火大会の日のこと…話してくれて、ありがとな。」


あの時、今までに感じたことないぐらいの嬉しさが体中を駆け巡った。


笑顔が溢れた。


椎名の本当の気持ちを知ることが出来て良かった…。


だから……



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