君に夢中で恋してる*
やって来たのは、1年生の教室の近くにある自習室。
生徒は誰も居なくて、とても静かだ。
「あ、あの…話って何ですか…?」
「私、このあとサッカー部のみんなとお昼ご飯を食べることになってるし、手短に済ませるわね…。」
三浦さんはニコッと笑ったかと思うと、急に真剣な眼差しで私を見た。
「椎名さんって、夏綺君と仲良いの…?」
「えっ…」
「夏休みに夏綺君と一緒に居たし、今朝も二人で楽しそうに話してたから…。まさか、付き合ってたりする…?」
「えぇっ!?」
三浦さんの言葉に目を大きく見開く。
すかさず、首をブンブンと横に振った。
「う、ううん…。付き合ってないよ…。」
もちろん、日向君の彼女にりたい…と思うけど、付き合ってるわけじゃないもんね……。
三浦さんは、私の返事を聞くなりホッと安堵した表情へと変わった。
「そう、それなら良かった…。もしかしたら“付き合ってる”って答えが返ってくるんじゃないか…って、ちょっとハラハラしちゃった…。」
「えっ、あの……」
「まあ、仮に付き合ってたとしても…奪えばいいだけの話よね。」