君に夢中で恋してる*
「…………。」
言葉が出てこない。
ただただ驚いていると、三浦さんは鋭い視線で私を睨んだ。
「単刀直入に言うわ。私、夏綺君が好きなの。だから、椎名さん…彼と馴れ馴れしく話したりしないでくれる?」
「えっ……」
「夏綺君だって、あなたみたいな…地味でパッとしないような子と話すのなんて、いい迷惑だと思ってるわよ、絶対。」
「……………。」
「今後、夏綺君に気安く近付かないで。」
急に低くなった三浦さんの声に、ビクッと肩が跳ねる。
凄みのある眼差しに、ドクン…と鼓動が嫌な音をたてて鳴り響いた。
「…話したかったことは、それだけ。じゃあ、私…夏綺君たちと一緒にお昼食べに行くから。」
プイッと私から視線を逸らした三浦さんは、スタスタと自習室から出ていってしまった。