君に夢中で恋してる*

こ、怖かった…。


これまでも、会った時には睨まれたけど、今のが一番…迫力あったよ…。


ビクビクしながら自習室を出て、教室へと戻る。


お弁当を持った私は、家庭科室の隣にある空き教室へ。


着いたら、まずは窓を開けて風を通す。


窓際の席に座ると、吹き抜ける風が頬を撫でた。


「いい風…。」


心地よさを感じながら、机にお弁当箱を広げる。


ご飯を食べ始めた私の頭の中では、さっきの三浦さんの言葉がグルグルと回っていた。


“馴れ馴れしく、話したりしないで”かぁ…。


“気安く近付かないで”とも言ってたっけ…。


三浦さん、日向君のこと…“好き”って、ハッキリ言ってたなぁ…。


堂々としていて、凄かった…。


私だったら、他の女の子を前にして、あんな風に自分の気持ちを曝け出すことなんて…きっと出来ない。


だけど……


私も、日向君が好き。


確かに三浦さんが言うように、私なんて…地味だしパッとしない。


日向君に釣り合うか…って考えたら、自信ない。


でも、この恋を諦めたくない…。


だって、日向君は…私が初めて好きになった人だから…。


まだ言えてない“好き”っていう言葉。


ちゃんと、声にして届けたい…。



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