君に夢中で恋してる*
き、来ちゃった…。
胸に打ち寄せる鼓動の波が大きくなっていく。
少し開いている体育館の扉。
そっと…隙間から中を覗くと、体育館の真ん中辺りに二人が居た。
ここで、何してるのかな…?
騒つく胸元に手を当てると、日向君が口を開いた。
「…それで、話って何?もう少しで授業も始まるし、そろそろ教室に戻らないと……」
「うん、そうだよね…。」
三浦さんは、日向君にニコッと微笑んだ後、真剣な眼差しで彼を見つめた。
「私、夏綺君が好き。」
「三浦…。」
「一緒に居たい…って思える人なの。だから、私と付き合って下さい…。」
ズキン…。
胸に走る痛み。
三浦さんの言葉が、全身を勢いよく駆け巡った。