君に夢中で恋してる*

通じ合う恋心


キーンコーンカーンコーン…


午後の授業が終わり、放課後。


私は浮かない気持ちのまま、帰り支度を進めた。


うぅ…。
どうしよう…。


これから、いつもの空き教室で、日向君の話を聞くことになってるけど…


こんなモヤモヤした状態じゃあ、無理だよ…。


二人きりになること自体、気まずい…。


私は、キュッと唇を噛みしめた。


今日、話を聞くのは…止めよう。


家に帰って、ゆっくり心を落ち着けたい…。


バッグにノート類を入れ終えた私は、チラッと一瞬だけ日向君の席の方を見た。


そうとなったら、日向君に今日のこと…断らなくちゃ…。


話し掛けるのは気まずいけど、そこは…我慢しないといけないよね…。


心を奮い立たせる。


日向君に話をしようと、バッグを持って、席から立った時だった。




「椎名!」


不意に、私のところに駆け寄ってきた日向君。


ビックリして、肩が跳ねてしまった。



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