君に夢中で恋してる*
「急用…?」
「そ、そういうわけじゃないんだけど、えっと……」
どんな風に理由を言えばいいんだろう…。
言葉に詰まり、俯いた。
「椎名…。さっきから、殆ど目を逸らしてるけど、どうしたんだ…?何か、あった…?」
心配そうな声で訊ねる日向君にドクン…と心臓が跳ね上がる。
やっぱり、こんなにあからさまに視線を逸らしてばかりじゃ、変だな…って思われちゃうよね…。
「…………。」
何も言えず、黙ったままでいると…
「おーいっ、夏綺!」
明るい声と共に聞こえてきた、私たちの方に駆け寄ってくる足音。
顔を上げると、クラスの男子2人が日向君の傍に来ていた。