君に夢中で恋してる*
「日向君、お願い……離して?みんなが見てるっ…」
「悪いけど、その願いは聞けない…。」
そう言うと、日向君は私の手を引いて歩き始める。
「えっ、日向君…?」
「俺、椎名と話がしたいんだ…。だから、椎名の時間…少しもらいたい…。」
真剣な眼差し。
そんな目で見られたら、それ以上…拒否することが出来なくて、私はコクンと小さく頷いた。
日向君に連れられて、やって来たのは…いつもの空き教室。
中に入ると、日向君は教室のドアを静かに閉めた。
「あのさ、最初に…聞いてもいいかな?」
「う、うん…。」
「俺、椎名に…何か嫌な思いをさせたんだよな?」
「えっ…?」
「さっきから、なんだか…俺を避けてるみたいだから。それに、すごく悲しそうな顔してる…。その顔をさせてる原因って、俺なんだよな?」