君に夢中で恋してる*
「あっ、椎名!やっと見つけた…!」
中に入って来たのは、なんと…日向君。
彼の姿を見た途端、私は目を丸くしてしまった。
「ひゅ、日向君っ!?」
悲鳴に近い声が口から飛び出す。
驚きのあまり、ガタガタッと慌ただしくイスから立ち上がった。
「教室に居ないから、あちこち探し回ってたんだ…。校舎の端の方まで来てみて良かった…。」
ホッとした表情を浮かべながら、私の傍にやって来た日向君。
呼吸は少し荒かった。
こ、こんな風になるぐらい…校舎の中を探し回ってたんだ…。
理由は、やっぱり昨日のことだよね…。
表情は穏やかだけど、内心は…色々と不満があってイライラしてるに違いない…。
こうなったら、改めて…きちんと謝らなくちゃ…。
私は日向君に向かって、ガバッと思いっきり頭を下げた。