君に夢中で恋してる*

「あのっ…日向君、どうやって私の名前を知ったの…?」


「ああ、それは…」


日向君が目の前に差し出したのは、生徒手帳だった。


「椎名が電車を降りて行った後に、落ちているのに気付いて拾ったんだ。それで一応、落とし主の確認…ってことで中を見たから…。」


そ、そっか…。


この生徒手帳には、名前もクラスも書かれてるもんね…。


まさか、そんな形で知ってもらうことになるなんて、思ってもみなかった…。


ん…?
ちょっと待って!!


中を見た…っていうことは、多分…私の顔写真もバッチリ見たよね?


ひゃあああ!!


あれ、写真を撮られる時、ガチガチに緊張してたから、表情が凄く硬いんだよ…。


他の人には見せられないような写真だったのに…。


まさか、日向君に見られちゃうなんて…。


は、恥ずかし過ぎるっ!



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